京都が京都であり続けるために産官学民の意志を結び、取り組んできたまちづくり

ACHIEVEMENT 03

大島仁の仕事

京都経済界の飛躍的発展に資する経済センターの開設に向けて

 

 京都産業会館

 

平成25年6月、(一般社団法人)京都産業会館専務理事に着任しました。当時、経済界は京都商工会議所を中心に「京都経済100年の計」として京都産業会館のある場所へ経済界の悲願である拠点施設・経済センターを誘致する構想を強く推し進めていました。京都産業会館が立地する四条室町は京都の中心に位置し、経済センターが建設されるのにふさわしい場所であることは衆目の一致するところでした。

一方、京都産業会館は室町の繊維商社が資金を出し合い、京都市と協力して昭和40年(1965年)11月に開設され、着物などの繊維製品の展示会や商談会、各種セミナーなどの会場として使われ、業界を50年にわたって支えてきた繊維産業の振興拠点でした。当時、京都産業会館を拠点としていた(一社)京都産業会館や京都織物卸商業組合、(一財)京都染織会館など室町の歴史を作ってきた団体にとってはまさに「聖地」といえる場所だったわけです。

 

旧京都産業会館
旧京都産業会館
室町の繊維商社が資金を出し合い、京都市と協力して1965年11月に開設しました。「きらっ都プラザ」の愛称で多くの商社が着物などの繊維製品の展示会や商談会、就職セミナーなどの会場に使ってきました。
(写真:関西のプロジェクト探訪)

 

京都産業会館の専務として、本務としての会館の維持管理業務はもとより、経済センターを受け入れるための繊維関係団体の意見調整・取りまとめの仕事が徐々に大きな比重を占めていくのが分かりました。ここでもたくさんの関係者のお話を丁寧に聞かせて頂き、少しずつ共通理解を深めていくことの醍醐味を感じることが出来ました。私がしたこと、いいえ、出来たことは、ひたすら業界関係者の声を聞くことでした。

私は、その後、京都経済センター実現の道筋が整ったことを見届け、京都産業会館を去るわけですが、平成31年3月16日、待ちに待った全面開業を迎えます。当日、完成式典にお招きを頂き、懐かしい方々と喜びを分かち合えたことは本当にありがたいことでした。

敷地約4,400㎡、地下2階地上7階の京都経済センターに、京都の主な経済団体が一堂に集結し、様々な知恵が融合して新たな価値を生み出す「交流と融合」が行われるのです。経済センターは8つの課題に取り組むことを宣言しています。①交流と協働の促進②戦略的産業振興施策の推進と情報発信③中小企業の育成支援④産学公連携の推進⑤スマートシティ・スマートコミュニティ(地域創生)の実現⑥海外への販路開拓と海外からの投資促進⑦繊維産業の振興⑧産業人材育成支援。どれも大切で、かつ、喫緊の課題であり、オール京都体制で取り組まなければなりません。㈱日本都市政策研究所も、しっかりと“智慧”を出し、「協働」させて頂きたいと思っています。

京都産業会館